再出発

8/10

11人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
「ちょっと遅いんじゃない?」 美香は頬を膨らませて俺に言った。 「しょうがねーだろ、学校についたらいきなり「学校抜け出せ」って言うメールが来たんだからよ。」 「まぁ今日はこの美香様の顔に免じて許してあげようっ!」 得意げに美香は言った。 「はいはい、ありがとーございます、っと」 「そんなことよりやっぱり髪、黒に染めたんだね。」 「あぁ、約束したからな」 俺は美香との「やり直す時に髪を元の黒に染めなおす」という約束をしていた。 「やっぱカズは黒の方が似合うよっ。」 「そうか?自分じゃわからん」 俺はそっぽを向いて言った。 「あれ?もしかしてカズ照れてる?」 「は?なんで俺が照れなきゃいけないんだ?」 「はいはい、照れ隠しはいいから、さっさと買い物いくよっ!」 美香は先に行き始めた。 「お前から言い出したんじゃねーか・・・。」 俺は美香を追いかけ隣に並んだ。 そして美香の手を握った。 「ほら、置いていくんじゃねーよ。」 俺は照れ隠しにそう言った。 「・・・うん。」 美香は少し俯いてそう言った。
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加