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「ちょっと遅いんじゃない?」
美香は頬を膨らませて俺に言った。
「しょうがねーだろ、学校についたらいきなり「学校抜け出せ」って言うメールが来たんだからよ。」
「まぁ今日はこの美香様の顔に免じて許してあげようっ!」
得意げに美香は言った。
「はいはい、ありがとーございます、っと」
「そんなことよりやっぱり髪、黒に染めたんだね。」
「あぁ、約束したからな」
俺は美香との「やり直す時に髪を元の黒に染めなおす」という約束をしていた。
「やっぱカズは黒の方が似合うよっ。」
「そうか?自分じゃわからん」
俺はそっぽを向いて言った。
「あれ?もしかしてカズ照れてる?」
「は?なんで俺が照れなきゃいけないんだ?」
「はいはい、照れ隠しはいいから、さっさと買い物いくよっ!」
美香は先に行き始めた。
「お前から言い出したんじゃねーか・・・。」
俺は美香を追いかけ隣に並んだ。
そして美香の手を握った。
「ほら、置いていくんじゃねーよ。」
俺は照れ隠しにそう言った。
「・・・うん。」
美香は少し俯いてそう言った。
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