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「もぉー、なに笑ってんのよっ!」
美香はポカポカと俺を叩き始めた。
「いや、美香はやっぱ可愛いなーって思ってさ。」
美香はさらに顔を真っ赤にする。
普段、結構俺をにたように茶化す仕返しだ。
「・・・だからそいうのは反則よっ!」
美香は右腕を振りかぶって俺に殴りかかってきた。
「うわっと!」
俺は美香の攻撃をかわした。
「え・・・にゃー!」
「あぶねぇ!」
美香はバランスを崩してこけそうになった。
俺はなんとか美香を支えた。
「あぶねぇな・・・気をつけろよ」
「う、うん・・・」
美香はまた顔を真っ赤にしていた。
(こういうことでもうろたえるような奴だとは思わなかったな。まあ美香のいい一面が見れて良かった。)
「・・・またなんかニヤニヤにてるし。」
「してねーよ。」
「何考えてたの~?」
「別に・・・。」
「やらしいことでも考えてたんでしょ~?」
美香がいつもの調子を取り戻してそういった。
「そんなことねーよ。」
そんなことを言いあいながら俺達は手をつないで歩いた。
今の俺にはまだ神原か美香か選べといわれたら、真っ先に美香を選ぶだろう。
今は・・・ホントにコイツを好きだから。
だからコイツを傷つけないようにしようと思う。
それが今の俺にできることことならば・・・。
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