1362人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
「とにかく早く着替えて下に来い」
ソウは早口でそう言うと、あたしの部屋を出て行った。
ちょっと意地悪だったかな。
さっきのソウの顔を思い出すと胸がチクンと痛んだ。
あたしはベッドから降りて、急いで制服に着替えて1階に向かった。
洗面所で準備を終えてからリビングへのドアを開けると、ソウがこっちを見た。
なんとなく気まずい。
「本当に一緒に行く気?」
「ああ」
「どうしても?」
「絶対」
無言でソウに抗議のまなざしを向けてみたけど、まっすぐに見返されて逆にこっちが怯んだ。
こうなったら聞かない、か。
あたしは覚悟を決めて玄関へと向かった。
さよなら、あたしの平和なスクールライフ……。
最初のコメントを投稿しよう!