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「あ、やばい。ちょっと擦りむいちゃってる」
遊佐先輩があたしの顔を覗き込んだ。
近い近い近い近いっ!!
「だだだ大丈夫ですっ」
両手を突っ張ってガード。
「彼女に傷つけちゃってソウに怒られるな」
「彼女じゃないですから!」
「え?彼女じゃないの?」
「違います!アイツが勝手にそう言ってるだけですから」
「ふぅん……」
遊佐先輩は顎に手を当てて、何か考えているようだった。
少しして、何か思いついたかのように顔をあげると、
「それ言うのは俺だけにしといた方がいいよ」
とにこやかに言った。
「え?何でですか?」
あたしとしては一刻も早く誤解を解きたいのですが……。
「んー……。俺から言うのはちょっと」
遊佐先輩は意味深な笑顔でそう答えた。
「だって早く誤解とかないと、あたしえらい目に遭いそうで怖いんですけど……」
「大丈夫だって。ソウが守ってくれるはずだから」
遊佐先輩はそう言うとあたしの頭をポンポンと撫でた。
「でも……」納得いかないあたし。
「じゃあヒント。この体育館に入れるのは、バスケ部関係者かその彼女だけなんだよ」
「え?」
「そのうち分かるよ。アイツの考えてること」
そう言い残して遊佐先輩は体育館を出て行った。
スッキリしなーい!!
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