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「お前、明日から毎日部活付き合えな」
「はあ!?絶対やだし!!」
「言うこと聞けって」
「嫌ったら嫌ですー!」
と、急にソウが首に腕を回してきた。
「くっ苦し……」
「お前な、周り見てみろ」
囁くようにソウが耳打ちする。
首を絞められたままゆっくり周りに目をやると、辺りの女子全員が恨めしそうな目であたし達を見ていた。
「こわぁ……」
「な?俺と一緒に居ないと、何されるか分からないだろ」
心なしか嬉しそうなソウ。
「あんたまさか……。
あたしが離れられなくなるように皆に宣言したんじゃないでしょうね!?」
「さあ?」
絶対確信犯だーー!!
あたしが女子の襲撃に遭わないようにする為にはソウに張り付いておくしかないって、コイツ分かっててしたんだ!
「卑怯ものっ」
「好きな女を好きって言って何が悪いんだよ」
ソウの真剣な瞳に思わず言葉を失う。
「俺は10年ずっと気持ちを押し殺してきたんだからな。もうこれからは誰にも隠さない」
いつの間にか繋がれていた手を、ソウがぎゅっと掴んだ。
「誰にも渡さない」
あたしは胸が苦しくなって、ソウの顔を見れなくなってしまった。
どうしよう。
すごく嬉しい……。
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