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ご飯をよそいながらレイちゃんが聞いてきた。
「今日帰り二人一緒だったの?」
「あ、うん」
「珍しいね」
「ソウが学校で余計なこと言ってくれちゃって……。おかげであたしは今や学校中の女子の敵デスヨ」
深いため息をつきながら、レイちゃんがよそってくれたお茶碗を運ぶ。
「敵……って、何か危険な目とかに遭ってない?」
「今日の所は、ね」
「でもそれじゃ……」
言いかけてレイちゃんは口を閉ざし、少し考えているようだった。ちょっとして
「なるほどね、ソウのやつ……」
と呟いた。きっとあたしと同じ結論に達したんだろうな。
「ワカ、今度の土曜時間ある?」
「レイちゃんと居られるなら大統領との会談だってドタキャンします!」
即答するあたしにレイちゃんはニコッと優しく微笑む。
「収録、見学に来ない?許可は取っておくから」
「えええっ!?いいの?」
今まで一度も仕事場に連れて行ってもらったことなんかなかったから、あたしは一気にテンションが上がった。
「スタジオだし、大丈夫だよ。待ち時間が長かったりしたら抜けて買い物とか行こうか」
夢のような提案に、あたしは浮かれっぱなしで土曜が待ち遠しくて仕方なかった。
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