~弐~

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「これで一次予選は終了か」 「ええ」 私は、運営部長室で報告の記録を食い入るように見ていた。 7月27日、午後9時。 第三グループの結果報告が全てまとまり、三日間の統計的な記録も表示されている。 私が最も気になっている部分。 それは、Nランク到達者の人数だ。 「2591人……ふむ」 「ちょっと少ないかもしれませんね……」 「いや、悪くはない。最終的には絞るのだからこれだけいたら充分だ」 土屋は心配しているようだが、私はそうでもなかった。もっとも、以前は多少悲観していたわけだが。 「それにしても、Nランクに到達すると飛躍的に実力が上がりますね。それより下がほとんど相手にならない」 「ああ、Nランクはこの時期における通過のボーダーラインにしたかったんだ」 「ボーダーライン……ですか?」 「ああ。TPPの真の最終目標の選抜対象のな」 最終目標。 これは私だけが知っているもの。 今のところは隣にいる土屋でさえも知らない。
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