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高層ビルが立ち並ぶ六本木。
見上げると上弦の月は夜を照らしているが、この明るい都会の街ではそれ以外の天体は何も見えない。
私はやはりこの都会じみた光景は苦手だ。
少しも安らぎを感じない。
……さて、ここからが本番だ。
能力者だけで構成されているチームは約350チームある。
そのどこかが二次予選を勝ち上がるのはほぼ確実だろう。
……どんな子達が集まってくるのやら。
私は少し物思いに更けた後、再びエントランスをくぐり、ロビーにある赤いソファーの一つに座った。
良い気分だ。
連日の疲れもあるので、このまま眠ってしまいたい。
だが、そういうわけにもいかなかった。
私は表向きの政策運営もしなくてはならない。
今はとりあえず、敗退者の意欲を掻き立てる事。
ここで、負けたものはこのままではまた元通りの生活に戻る者も多数いるはず。
そのための新しいプランの進行も進めなければならない。
今回の私の一番大変な仕事と言ってもいいだろう。
でも、これくらいの事はしてみせる。
この国のためにも。
そして、自分の理想のためにも。
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