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「これはどこに置くんすかー?」
「元にあった机と同じ位置で結構ですよ」
「了解しゃっしたー」
夏休み。
今日は猛暑日となるらしい。太陽がジリジリと肌を焼いてくる。
外にいるのは正直ゴメンだ。
結局あの幻想空間から戻ってきたあと、すぐに表彰式が始まりTPPの地区大会優勝賞金、5000万円が俺達四人の元へ渡された。
ちなみに、「一人」ではなく「一チーム」に5000万円。
国会で「いくらなんでも浪費が過ぎる」と九条大臣への批判が相次ぎ、賞金を減らす事で事態は収拾された。
それでも、高校生一人に1250万円。充分夢のような金額だ。
俺達四人は別に賞金目当てに参加したつもりもなかったので、あまり使う気にもならなかった。
話し合った結果、500万円ずつは親に渡し、30万円を自分達でもらう。
残りは学校へと寄付した。
もともと優勝賞金は国から学校へと渡されたものであり、優勝者が受け取りを辞退すれば、所有する権利は学校にあるようだ。
すると校長から、「せっかくだから生徒会室の設備も少し充実させろ」という助言をもらい、家具を一新することにした。
だから、俺達四人でそれが設置されている様子を見ている、というのが今の現状だ。
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