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私は六本木のとあるビルの中に入る。
ここの62~65階はTPPの本部。
霞ヶ関とは別に場所が用意されたのだ。
エレベーターは上昇して、表示板は65階をさしたところで止まった。
私は舗装された綺麗な廊下を通り、一番奥の部屋に入る。
『運営部長室』
TPPに関する情報は、一通りこの部屋に集まってくる。
部屋に入ると、1人の部下が私を待っていた。
「待たせたようだね。すまない、土屋君」
長身で若々しい土屋が眼鏡をいじりながら口を開いた。
「いえ、全然構いません。今日は現在のTPPの参加者の現状をまとめたものをお持ちしました」
私の事務机の上には、それと思われる書類が置いてあった。
私は窓に写る見慣れた65階からの景色を一瞥した後、その書類を手に取った。
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