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俺はただひたすらに銃を持って戦っていた。
後に第二次世界大戦と呼ばれる戦争の末期、俺は戦場に立っていた。
そこは地獄だった。
敵の数は味方の10倍近くいた。
兵器の精度もかなりの差があった。
勝てるはずがなかった。
「……!相川!!しっかりしろ!」
部下が一人、また一人と殺されていく。
死んだ部下の体をさらに銃弾が貫く。
血はもう体内にないのか流れてくる量が少ない。
俺の服は部下の血で濡れていく。
ぬるりとしたその感触に吐き気がした。
いきなり自分のしていることが恐ろしくなってきた。
自分もまた、部下のような“モノ”を作り出している。
手が震える。
俺は正しいのか?
俺は…
「神埼!」
親友が俺のことを呼び、殴ってきた。
とても痛かった。
そう、痛かったんだ。
…俺は生きている。
生きているんだ。
…死にたくない!!
そしてもう一度銃を握りなおし敵に撃ち込もうと思った時、頭に違和感を覚え、その直後目の前が真っ暗になった。
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