終わりという名の始まり

3/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
俺はただひたすらに銃を持って戦っていた。 後に第二次世界大戦と呼ばれる戦争の末期、俺は戦場に立っていた。 そこは地獄だった。 敵の数は味方の10倍近くいた。 兵器の精度もかなりの差があった。 勝てるはずがなかった。 「……!相川!!しっかりしろ!」 部下が一人、また一人と殺されていく。 死んだ部下の体をさらに銃弾が貫く。 血はもう体内にないのか流れてくる量が少ない。 俺の服は部下の血で濡れていく。 ぬるりとしたその感触に吐き気がした。 いきなり自分のしていることが恐ろしくなってきた。 自分もまた、部下のような“モノ”を作り出している。 手が震える。 俺は正しいのか? 俺は… 「神埼!」 親友が俺のことを呼び、殴ってきた。 とても痛かった。 そう、痛かったんだ。 …俺は生きている。 生きているんだ。 …死にたくない!! そしてもう一度銃を握りなおし敵に撃ち込もうと思った時、頭に違和感を覚え、その直後目の前が真っ暗になった。 .
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!