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流されない女になるには、いったいどうすればいいんだろう――。
喋っていただけのつもりだったのに、いつのまにか手を繋がれ、いつの間にか唇が繋がり、そして、そして――。
甘い言葉に、優しい視線に、繊細な指の動きに、こみあげる熱に。
突き動かされて私は、すぐに自分をさらけだしてしまう。
こんなの、ダメなのに。
肩を這う、男の唇。
こんなの、イヤなのに。
舐めるように、視線が彷徨う。
こんなの、望んでないはずなのに。
熱があがり、溶けて、溢れだしていく。
――あんなめにあったのに、私は、また、あの時と同じ過ちを繰り返すというの――?
三度目のキスは、深く長かった。
卑猥な音が聞こえないのは、バンド演奏のおかげ。
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