‡入学式‡

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「…まぁ、そのうち気がついてまた戻ってくんだろ…」 「そ、そうね…」 俺達はエステルが教室を出て行った後も、しばらくその場に佇んでいた 「……///」 さっきまであんな状態だったから、少し気まずい だからと言ってこのまま帰るのもスッキリしねぇし… リタも教室の出口と俺の顔を交互に見比べている所を見ると、帰るかどうか悩んでいるようだ 「あ、あのさ…///」 「…な、なんだよ?」 互いに頬を染めて視線をそらしながらも微妙な距離を保つ俺達… 端から見れば、初々しいカップルに見えなくもないかもしれない… 「…ユーリは何か部活やってるの?」 「…いや、今は特にやってないけど…」 …それにしても近い… リタの睫が一本一本数えられるくらいよく見える 「じゃあ…前は何かやってたんだ?」 「あぁ…剣道部やってた…」 こんな些細な会話なのに、リタと2人っきりだということを意識すると心拍数があがってしまう 「ふ~ん…」 「エステルも剣道部だし、あいつがさっきちょこっと口にしてたフレンって奴も同じ部活なんだぜ」 「…そう…」 「リタは何か部活入るのか?」 きっとこんな質問してくるのは俺と一緒の部活入りたいからかな… というように自分に都合のよい解釈をした俺の質問にリタは首を横にふって答えた 「ううん、今のところは特に……」 「…そっか…」 彼女が少し悲しそうに見えたのは気のせいなのだろうか… 「明日オリエンテーションがあるから、その時いろいろ見学して決める予定…だったんだけど…」 「…けど?」 「…あんたが何もやってないなら、あたしも入らなくていいかな…って思っちゃって…///」 「え?なんだって?よく聞こえねぇよ?」 小さく消え入るような声でぼそぼそと喋られたから、俺の耳に言葉は届いていない もう一度言ってくれるよう催促したら、リタは何故か頬を真っ赤にして、元々大きな瞳を更に見開き今度は大きな声でしっかりと言い放った 「だ、だからっ!あんたが何もやってないなら、あたしもやらないって言ったのよ!」 「えっ!…おまっ…それって…///」 俺とずっと一緒にいたいって事か…? 「か、勘違いしないでよねっ!べ、別にあんたなんかと一緒が良いって訳じゃないんだからっ!///」 腕を組みツンとそっぽを向くリタ だが、そんなに頬を染めていたのでは説得力ゼロである
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