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「もしかして…ユーリの事?」
「えっ…///」
姉さんはどこまで勘が鋭いのだろう…
寸分違わずに図星をさされてあたしは照れよりも驚きの感情が表に出てしまった
「そ、そうよ…あたし…分からないの…あいつに抱いているこの感情が友情なのか…あ、愛情なのか…///」
「…なるほどね…」
手先は朝食作りに集中しながらも、耳はこちらに傾けている器用な行動をとっている姉が、静かに呟く
「だ、だからっ、姉さんなら分かるかなって思って…///」
「いいえ…まだ情報不足ね…こちらから質問させてもらってもいいかしら?」
「う、うん…」
ゴクリと息をのむあたしに笑みをみせたあと、姉は一瞬だけ手の動きを止めた
「あなたは彼の側にいるとき、胸がドキドキしたり妙に嬉しくなったりする事があるかしら?」
質問を終えた後、姉は再び作業を再開する
だが、耳だけはあたしに集中しているということは分かった
あいつの側にいると…
確かに訳もなくちょっぴり嬉しくなったり、ドキドキしたりしてたかもしれない…
「……うん」
あたしは首を大きく縦に振りながら返事をした
「ふふっ…じゃあ、彼が他の女の子と話したり、仲良くしているのを見るとモヤモヤした気分になったりする?」
「…う~ん…」
と言われても…
昨日はほぼ2人っきりで途中でエステルとかいう子が来ただけだし…
ユーリが彼女と話していても別段スッキリしない気分にはならなかった
「多分ない…と思う…」
今度はノーの返答を返すと、予想外だったのか姉は少しだけ目を見開く
「あら…困ったわね…」
「?」
いつの間にか完成していた二人分の朝食をテーブルに運びながら、姉は悩むような声を出した
その後を追いながらあたしは首を傾げる
「このままだと、あなたのユーリに対する感情は友達以上恋人未満の中途半端な気持ちという事になるわ」
「そ、そうなの?」
「ええ…でも…最後に決定打を決める質問があるのだけれど…」
「な、何?」
緊張が張り詰めて固まるあたしを、姉はしばらく困ったような表情で見つめていたが、やがてゆっくりと口を開いた
「ユーリとキスしたい…とか思ったりするかしら?」
………は?
「なっ!な、何言って…///」
頬が真っ赤に染まるのを感じながら、あたしは無意識の内に半歩下がる
「この質問に答えてくれれば、一発で分かるのだけれど…」
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