‡入学式‡

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俺の名前はユーリ・ローウェル 私立ヴェスペリア学園の高校二年生 進級が危ういと言われながらも何とか二年生になることが出来た 「まったく君は…どうしていつもそう…」 「はいはい悪かったよ…」 通学途中、隣で俺に話しかけてきたのは幼なじみのフレン 今日は新一年生の入学式… めんどくさいからと俺がサボろうとしていたら、こいつは家の前まで来てインターホンをならしまくりやがった 因みに親は仕事の関係で殆ど家にいないため、いつも俺1人なのをフレンは知っている だから迷惑は俺にしかかからないと承知のうえなのだ うるささに耐えきれずに飛び出した俺の腕をつかみ、髪もぼさぼさのまま学校に引っ張られて… 話は冒頭に戻る 「あのさ…お前、俺が風邪ひいてるとか考えないわけ?」 「君が風邪をひくわけないだろう?」 「…………」 即答ですかフレンさん… 「ったく…めんどくせぇなぁ…」 晴れ渡る空に相反して、俺の心はどんより曇っていた 「君はまだそんな事を…エステリーゼは君が遅いから先に行ってしまったと言うのに…」 エステリーゼというのは俺達の幼なじみで、本名はエステルという だが、何故かフレンだけはこのあだ名で呼んでいた ま、何か特別な意味あいがあるのはバレバレなんだが… 「ほぅ…つまり、お前は愛しの『エステリーゼ』様と一緒に登校したかったと…」 「なっ!…な、何を言って…///」 ほらな… 昔っから、お前は素直すぎるんだよ 「そんなに一緒がいいなら、俺をほっといてエステルと行けば良かったじゃねぇか…」 「だから…さっきも言った通り、エステリーゼは先に行ってしまったんだ!君の家の前まで一緒に来ていたというのに…」 …? わっかんねぇな… だったら尚更俺を無視するべきだろう? 「で?肝心の何で俺に声をかけたのかがまだわかんねぇんだけど?」 「初っぱなからユーリが欠席するのを黙って見過ごす訳にはいかない」 は…? …お前は俺の親かっての… 「良いだろ別に…そんなのは俺の勝手だ」 「良くない!だいたい君は「おお~!学校が見えてきたぞ!」 いつまでもうるさいフレンにいい加減うんざりしていたら、目の前には憎き学校… だが、今は俺をこの場から逃げ出すキッカケを作ってくれた とりあえず学校がそこまで遠くない事に感謝だな 「あっ!待てユーリ!」 一目散に駆け出し背後のフレンの声は無視する
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