第四話 水野と保健室

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─────…ぼや… 「ん…あれ?私何で寝て…」 私は保健室のベッドで目が覚めた。 「だいじょーぶ?桜宮さぁん」 私が起き上がろうとすると、後ろから声がした。 誰か来てくれてる…? 「あ…はい。誰ですか?」 もぞ… 私はゆっくり振り向いた。 するとそこには… 「んじゃあ早く起きろよ。どんだけ待ったか分かってんのかぁ?」 女子五人組。一年の…誰だっけ。 「あんたさぁ、水野先輩と付き合ってるらしーじゃん」 「その被害者さんもいるしぃ?」 「え…?」 私の目の前に一人の女子。 すごく睨まれている。 「…よくも康太を盗ったわね…」 「ちょっ…私こんな人知らない…!!」 「はぁ?香奈美だよ。かーなーみ」 ドク… 「分かんだろ?」 香奈美さん… …あの日、水野と電話してた人だ… 早く何か言わなきゃ…! 「私何もしてな」 「へえ…やっぱ自覚無いんだぁ…」 『ペタ…』 っ…!! 全員がじりじりと寄って来る。 「だからぁ、親友として香奈美の仇をとっちゃいまーす」 か…たき…? 「私らさぁ、さっきの理科の薬品とってきたんだぁ…。色々混ぜて…」 「これ体溶かすみたいだしぃ?飲んだら病院行きだしぃ?」 「今からあんたに飲ませてやるよ。風邪の時は水分とらなきゃさぁ…!!」 ガッ!! 「やっ…やめてっ!!ごめんなさ…っ」 私はその人達に押さえつけられて身動きがとれない。 助けてよ…!! 誰か……水野っ…! 怖い…怖いよ! 『ガラガラッ』 …誰か来てくれ、て… あ、え…嘘…っ? そこには水野が立っていた。 「み、水野先輩…っ」 「…」 私を取り巻く人達は私から手を離し、一気に解放される。 そんな中、水野は無言で近づいて来る。 「あ…水野先輩…私達何もしてないからっ…!」 「っざけんな!!」 ドッ… 「きゃあっ!」 水野は大声をあげて香奈美さんを突き飛ばした。 「早く出てけ!!!」 「…っ!」 『バタバタバタッ…』 女子達は水野に怯えて逃げていった。 それは、私もびっくりしてしまうくらいの迫力だった。
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