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─────…ぼや…
「ん…あれ?私何で寝て…」
私は保健室のベッドで目が覚めた。
「だいじょーぶ?桜宮さぁん」
私が起き上がろうとすると、後ろから声がした。
誰か来てくれてる…?
「あ…はい。誰ですか?」
もぞ…
私はゆっくり振り向いた。
するとそこには…
「んじゃあ早く起きろよ。どんだけ待ったか分かってんのかぁ?」
女子五人組。一年の…誰だっけ。
「あんたさぁ、水野先輩と付き合ってるらしーじゃん」
「その被害者さんもいるしぃ?」
「え…?」
私の目の前に一人の女子。
すごく睨まれている。
「…よくも康太を盗ったわね…」
「ちょっ…私こんな人知らない…!!」
「はぁ?香奈美だよ。かーなーみ」
ドク…
「分かんだろ?」
香奈美さん…
…あの日、水野と電話してた人だ…
早く何か言わなきゃ…!
「私何もしてな」
「へえ…やっぱ自覚無いんだぁ…」
『ペタ…』
っ…!!
全員がじりじりと寄って来る。
「だからぁ、親友として香奈美の仇をとっちゃいまーす」
か…たき…?
「私らさぁ、さっきの理科の薬品とってきたんだぁ…。色々混ぜて…」
「これ体溶かすみたいだしぃ?飲んだら病院行きだしぃ?」
「今からあんたに飲ませてやるよ。風邪の時は水分とらなきゃさぁ…!!」
ガッ!!
「やっ…やめてっ!!ごめんなさ…っ」
私はその人達に押さえつけられて身動きがとれない。
助けてよ…!!
誰か……水野っ…!
怖い…怖いよ!
『ガラガラッ』
…誰か来てくれ、て…
あ、え…嘘…っ?
そこには水野が立っていた。
「み、水野先輩…っ」
「…」
私を取り巻く人達は私から手を離し、一気に解放される。
そんな中、水野は無言で近づいて来る。
「あ…水野先輩…私達何もしてないからっ…!」
「っざけんな!!」
ドッ…
「きゃあっ!」
水野は大声をあげて香奈美さんを突き飛ばした。
「早く出てけ!!!」
「…っ!」
『バタバタバタッ…』
女子達は水野に怯えて逃げていった。
それは、私もびっくりしてしまうくらいの迫力だった。
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