第四話 水野と保健室

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「舞花…」 「み…水野?」 「ごめん…俺がちょっと目を離した隙に…」 水野は私のもとに近付いてを下をうつむいて嘆く。 「ううん…水野、水野は何も悪くないよ…!!」 「舞花、ただでさえ風邪ひいてるのに…マジでごめん…」 私だって気付いたら水野に助けを求めてた。 水野しか頼りにしてなかった… 「水野…顔上げて」 「…?」 私はそう言うと、水野の頬に優しくキスをした。 「舞花…!」 「私は大丈夫だから」 ぎゅ… 水野は私をかたく抱き締めた。 「っ…舞花…」 水野は私を抱き締めたまま喋りだす。 そんなに大袈裟にしなくても…なんて思いながら返事をする。 「…なに?」 「怪我は…?」 「うん…大丈夫」 「…舞花からキスしてくれるなんてな…」 かぁあ…っ 「……そんな意外?」 「でもすげー嬉しい…」 「あ…でも、水野みたいなキスは真似できない」 「ははっ、どういう意味だよっ」 「……」 「…なんで黙る?」 「あの…」 「ん…?言ってみ?」 「その…」 「うん」 「キス…っ…して下さ…い」 恥ずかしい…っ 私…何でこんな事言ってんの… あり得ないし…水野もきっと… 「ふっ…可愛過ぎて反則…」 ドキ… 『ギシッ』 水野はふわりと笑うと私をベッドに倒す。 「っ…は…っ」 「ん………っ」 「ぁ……んっ」 「……舞花…」 水野が好き。大好き。 優しくて力強い水野が好き。 「ん……はぁっ…」 ゆっくりと顔を離す。 「…今のキスで満足した?」 水野がからかう様に私の顔を覗き込む。 「……」 私はゆっくり水野の目を見つめた。 「ははっ、まだかよっ」 水野とずっと一緒にいたい… 私達はまた自然と唇を重ねる。 そこへ誰かが入って来た。
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