第五話 初デート

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―10分後― 昨日、初デートの服を雑誌を参考にして買って来た。 女の子らしいピンクのフリフリ。 いつもは着ない感じだけど…水野、気に入ってくれるかな…? 私は不安だったけど、鏡の前で深呼吸し、思い切ってドアを開けた。 『パタンッ』 「…どお?」 「ま…舞花…?」 「今日のデートのために買った…」 私は少し服を隠してしまう。 「まじかよ…」 「あ…やっぱり似合ってないよねっ…今すぐさっきのに着替えてくる…っ」 水野、びっくりしてる。 やっぱ、こんな可愛いの私には似合うわけ… ガシッ 「待てよっ!!」 「え…?」 水野は私の腕を掴んだ。 「…俺は好きだ、そういうの…」 恥ずかしそうに目線を反らす。 「ほっ…本当に!?」 「…キスしそうかも」 ドキッ… そう言うと水野は顔をこちらに向けた。 「……」 「…ごめんな、朝からキスとか言って。でも本当に可愛いから気にす…」 ぎゅ… 私は無意識に水野のシャツの裾を掴んで喋っていた。 「…してよ…」 「ふっ…映画間に合わないけど?」 「そ…それより、水野のキスがいい……」 「はぁ…ったく…お前が甘えたら調子狂うだろーが」 照れくさそうにそう言うと水野はキスをしてきた。 「………」 「…ん…っ」 「……」 「…ふ…っ」 「…はぁっ」 「舞花…」 「…へ?」 「キス、上手くなったな」 「…それは…水野が教えてくれたからで…」 「マジで?」 水野は嬉しそうに聞く。 「絶対そうだよ!」 「俺のおかげ…か…」 「?」 ニヤッと笑って私のバッグを持ってくれた。 「早く行こうぜっ」 「え、あ……うん!」 分かりやす…っ 私はクスっと笑いながら水野と歩き出した。
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