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第二話 初めての会話
着いた場所は裏庭。
「…ねえ、何の用?転校早々こんな事し…」
とすっ
私が質問をしかけると壁に押し倒される。
え、ちょっと…ちょっと、何!?
「えっと…何、かな…」
「……」
何も喋らない彼。
その真剣な眼差しにドキッとする私。
「あのぉ…」
ぐいっ
するとその瞬間、その人が体を寄せた。
そう、私はその時キスされたんだ。
えぇっ!?
暖かい物がふわりと触れる。
「んんっ…ちょっ…やめて下さっ…」
「可愛い」
「…え?」
言葉を遮った彼の言葉。
私の鼓動は高鳴りながら、指はキスされた唇を擦る。
「おまえ、可愛いな…気に入った。俺と付き合え」
「え?なんで私がっ…」
「じゃ、今日から一緒に登下校な」
彼は立ち去ろうとする。
「ちょっと、待ちなさいよ!!急にこんな事してどうするつもり!?」
『タッタッタッ…──』
あぁ…行っちゃったよ…
足音が遠くなる。
っていうかいきなりキス!!最悪じゃん!
私のファーストキス…
(なんであんな…)
小さな声で呟く。
…でも、ちょっとだけドキドキした…なんて…
『シャラランッ♪』
その時、携帯が鳴った。
「こんな時に誰…?」
携帯を開くとメールが一件。
アドレスには MIZUNOという文字が。
開いてみると、本文には
「放課後、門にいるから。」
と書かれている。
…あの人だ!!みずのっていう名前なのか…
「…って、こんなメール送るなんて馬鹿みたい!ていうかなんで私のメアド知ってるのよ!?」
『ピッ…ピピッ』
さっと消去して部活に行った。
あ、ちなみに私は吹奏楽に入部してるんだっ。
ちなみにパートはフルート。
近くの水道で顔を洗う。
「とりあえず行こ…」
気にしないと思っていたものの、部活中も「みずの」が気になってしょうがなかった。
今日初めて会ったのに…
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