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第三話 水野の噂
「ッはよー」
外で声がする。
窓をのぞくと水野がいた。
「まだ用意出来てないんだから先行っててよ!」
「なんでだよ。あとスカートだけだろ?」
「なっ、なんで分かんのよ馬鹿!!」
あの日から4日目。
水野は毎朝、私を迎えに来てくれている。
顔を真っ赤にしながら、やや急いで支度をしてまた外を見た。
あれ?水野がいない…
(何よ、本当勝手なんだから…)
私、がっかりしてる?
水野に会いたい?
そんな事ない!!私は水野の事なんか好きじゃないし!
そんな事を考えながら部屋のドアを開け、階段を降りた。
するとそこには…
「あー水野ーーー!!なに勝手に上がり込んでんのよ!」
「お姉ちゃんそんな事言うなんてひどーい!せっかくいつも迎えに来てくれてるのにそんな言い方ないでしょ!」
すっ、鈴花まで水野賛成!?
「おら、早く飯食えよ。遅刻だぞ」
「わ…分かってるわよ…」
「え!?えぇ!?やっぱお姉ちゃんって水野先輩と?お姉ちゃんやるー!」
むぐっ!
「っこらぁ!鈴花ぁ!」
「行って来まーす♪」
「舞花の妹空気読めるんだな。」
「もう!!」
「そういえば、時間」
「はぁ?…あーーー!!遅刻ーーー!!」
「うるせぇなぁ」
あと5分しかないよ!最悪!
「水野ぉ…」
「なに泣きそうな顔してんだよ。いいから早く突っ込め」
そう言われてパンを口にし、玄関へと急いだ。
「行って来ます!」
あれ?この玄関のって、誰の自転車?
「行くぞ、乗れよ」
「…」
「早く!遅刻すっぞ!」
乗りたいと思う私がいる。
「…お願いします」
「おっしゃ!しっかりつかまっとけよ」
あ…水野の心臓、ドキドキしてる。私の事、本当に好きなんだろうか。
水野にしがみついてそんな事を考えながら自転車で学校まで行った。
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