第三話 水野の噂

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「はぁ…なんとか間に合ったぁ…」 「おまえ慌てすぎなんだよ。つーか…何で自動車の後ろに乗ってて疲れんだ」 「だって…遅刻…み、水野が朝…はぁっ…」 「もういい、てか何が言いてぇのか全然分かんねぇし」 クスッと笑われて自棄になってくる。 「だから…はぁっ…ありがとうって言いたいの…」 「ぷっ、なら早くそう言えよなっ。よしよし」 「もう!私行くからっ…」 恥ずかしい…水野があんな事言うからっ… 教室に入る前に水道で顔を洗った。 こんな赤い顔が見られたくなかった。 『ガラガラッ』 「あ、舞花おはよ」 「あっ美沙!おはよー」 変な顔してないよね… 「よ、舞花」 「達也…」 はっ!!達也と言えば…! 「何怖い顔してんだよ」 「達也が水野にメアド教えるからでしょ!おかげで一緒に帰ろうとか言われるし迎えに来られるし最悪!!」 とか言いながら、なぜか罪悪感… 「え?もしかして舞花って康太になんかされた?」 あ、やば…言っちゃった… 「そ、そそそんなわけないじゃん。全部無視したし」 て言うか私何でこんなに動揺してんだろ…? 「だよなー。あいつと付き合うなんてよっぽどの物好きか単なるアホだもんな」 「まぁ確かにねー」 え…? 達也と美沙が顔を合わせて言う。 「二人共、何か知ってるの?」 「何言ってんの?舞花、もしかして康太の噂知らないの?」 「…え、うん…」 「水野康太と言えば超遊び人で毎日ホテルって噂じゃん!!」 え?あの水野が? 「それに金持ちでイケてるからって女が寄って来て全く不自由してないし」 「この前なんか何かで通報されて取り調べ受けたらしいし…」 えーーー!!!怖っ!!! 「まぁ、男友達はたくさんいるけどな」 「へぇ、そ…うなんだ」 「まぁ俺としては転校前から色々あって親友だったからついメアド教えちゃって…噂の事知ってると思ってたし、まじごめん」 ドクン…ッ 「…あ、達也…もういいの。私も気を付けるし、気にしないで」 「…私も一応達也繋がりで仲良いから、きっと大丈夫だよ」 「ありがと…」 私はその話を聞いてから1日中、水野の真実が気になっていた。
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