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その女性の身なりは美しかった。
この世のどの言葉を使っても言い表わせないくらいに。
顔にはスカーフを被りまるで他人との接触を拒むかのようであった。
彼女は人混みに紛れ道を進む。途中にあるわき道へと入り込みさらに進むとその先は林があるだけ。しかし彼女はそれを気にせず林に入る。
木々によって遮られた光は木漏れ日となって美しく辺りを照らす。
しばらくすると木々の間から古びた屋敷が見えだした。
彼女は屋敷の錆びた門を開けその場でやっとスカーフを取った。
透き通るほど白く染まった肌が林の中では不気味なほど浮いている。
屋敷の中に入ると目の前には男性が1人。薄汚れた服を来て顔には無精髭いかにも炭鉱で働いている感じ。
彼女は彼の元に歩みだし熱く口付けを交わす。そして彼の首筋にその鋭い歯を向けた。
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