一日目
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「はいはい。聞きますよ。ところで、あなたは何処に?」 私が問うと 『我は汝の右側の本棚だ』 幻聴(?)が答えた。 私は右を向いた。だが、本しかない。 「本しかないのだけど?」 『我は本だ。黒い背表紙の本があろう』 「黒い背表紙?」 私は目の前の段を探した。 「えーと・・・。ん?」 黒い背表紙の本が少し右にあった。 手を伸ばし取った。 前後全てが真っ黒で縁に金色の装飾がある本だ。
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