始まりの神社

3/17
前へ
/54ページ
次へ
『あの人と付き合いたいなぁ』 うるさい 『俺、絶対にプロの野球選手になるぜ』 うるさい… 『あのお店の洋服高いけど可愛かったなぁ…いつか絶対に買ってみせるわ』 うるさ…い… 『私、歌手になるのが小さい頃からの………』 うるさい、うるさい、うるさい! 「うるさい!」 ガタン!っと大きな音をたてて椅子が倒れる その音で我に返る。 しかしさっきの言葉が自分から発せられたものだと気づくのには、少し時間がかかった。 はっ…っとして辺りを見回すとクラスメートの痛い視線が飛び込んでくる。 「すいま…せん」 私が謝ると同時に、みんなこちらを見るのはやめ正面の黒板へと視点を変えた。 また…あの夢かぁ いつも見る嫌な夢 普通の人に言わせたら、別になんともないであろう…ごく普通の変哲もない…夢
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加