認定

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「飲み会を開いた時なんかは、一円単位まで割って請求する様な人だったよ。だけど、女にはだらしなかったみてぇだ」 「女、ですか」 「村田さんがこの辺りの地主だった、って事は知っているかい」と辰男は、身を乗り出した。 「えぇ」  昨日の不動産屋の話しを、逢坂は思い出した。投資に手を出し失敗した村田は、その土地を大分処分したという事を。 「それなら、話しは早い。村田さんの三年前に亡くなった御新造さんは、そりゃあ確りしたお人だった。あの人が居なかったなら、今頃村田さんは文無しだった、ってもっぱらの噂だ」
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