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高校生になったばかりの女の子だ。口では強がってばかりだが、まだまだ幼い一面を残している。片親に育てられたとはいえ、祖母の愛情を一身に受けている。謂わば『お嬢様』なのだろう。
――こう思う事も、妬みか。
缶コーヒーを受け取った自身の手を観て、浩也はそんな事を思わずには居られなかった。
街路燈の灯りの中、その手の甲は浅い褐色をしている。その褐色掛かった肌のお陰で、浩也はこれまで嫌な思いを散々させられて来たのだ。
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