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「捜査は進展してますか」といきなり背後から声を掛けられ、逢坂と新堂は振り向いた。そこに喪服を着た男が一人『どうも』とばかりに、頭に手をやりながら立っていた。
「あんたは確か……」と逢坂がその男の事を思い出そうとしていると「滝澤さんじゃないですか」と新堂が、親しげに男の名を呼んだ。
「その節はお世話になりました」
「伏見くんは、元気にしてますか?」
「和也ですか。奴は大学に行くようになったら急に色気付いちゃって、今は彼女にべったり。僕の事なんか、完全に忘れ去られてますよ」
新堂は「それは良かった」と、顔をほころばせている。滝澤は「なにせ無鉄砲な奴ですから、彼女が歯止めになってくれれば助かるんですけどね」と笑っている。
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