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伏見 和也は、この滝澤 祐太郎という雑誌記者の甥だ。逢坂と新堂が初めてコンビを組む事になった事件で、その少年は一人で奔走し、事件を解決に導こうとしていた。
その無鉄砲な行動を憂いて、滝澤は逢坂達に助けを求めたのだった。
「滝澤さんその格好、まさか」
「新堂さんのお察しの通り、村田さんの通夜に出るためですよ」
「君、故人とは知り合いなのかね」
逢坂の質問に滝澤は「まったくの赤の他人です」とあっさり云い放った。
「じゃあ何故、通夜に出席するんですか。もしかして、なにか面白い事考えています?」
ーー面白い事って……捜査は遊びじゃねえぞ。
先ほどまで老人達の地取り掛けに、つまらなさそうにしていた新堂が、滝澤の『赤の他人』の台詞に食いついたようだ。
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