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「坂さん、今回のヤマは、やっぱり殺しでしょうね」
「道端で、野暮な事を言うな」
――まったく、何時になったら刑事の仕事を理解するのだ。
捜査課一係の矢内係長から、新堂巡査部長のお目付け役を任されている逢坂 義之は、横目で新堂を睨んだ。
一係の主任刑事である逢坂は、新堂より一つ上の階級の警部補だった。だが、歳を二十近く若い新堂に階級を追い抜かれるのも、時間の問題だろう。逢坂は警察官採用試験を受けての、ノンキャリアなのだから。
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