雀卓

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「絶対とは言い切れませんが、その考え方には無理がありますね」  新堂の言葉に「と、云いますと」と、続けて意見をするよう促した。 「村田さんは、シルクのシャツを着ていました。その為、傷口からの出血量は少ないにもかかわらず、シャツの血の跡は傷口を中心に円形の形で、広がりを見せていました。これはシルク繊維が水分を弾きやすい特徴によるものと、考えられます。他の場所で傷を負い自宅まで戻ったのなら、血の跡は円形ではなく、下に垂れ下がる形になっていると思います。それに遺体の発見場所である和室は窓が開いていたし、座卓の上には湯呑みが残されていました。村田さんは常日頃から紅茶を好んでいた事から、その湯呑みは来客をもてなしたものと、考えるのが妥当だと思います。湯呑みからは村田さんの指紋と、それ以外の誰かの物が検出されていましたから。それらから考えると、村田さんは来客をもてなしている時、もしくは来客が帰った後に、傷を負いその場に倒れたと考えられます」
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