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「僕はそう思っています。恐らくは蕎麦によるものでしょう」
「蕎麦、ですか?」
滝澤は、首を傾げた。隣りの四人はそれぞれ「それは無いわ」と云った。
「何故ですか! 村田さんは蕎麦茶を嫌いな飲み物としていますよね」
新堂は興奮気味に声を荒げた。
滝澤が「まぁまぁ」と新堂を諭し、スプリングジャケットの内ポケットから、ICレコーダーを取り出した。
「これは昨晩、片岡 竜馬にインタビューした時のものです。取りあえず、これを聴いて下さい」
新堂はレコーダーのスイッチを入れた。ポケットにでも隠していたのだろう、くぐもった音で聞き取り難くはあったが、男二人の会話の内容は理解出来るものだった。
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