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出動要請が掛かったのが、昼食を摂り終えて間もない午後の二時を過ぎた頃だった。
「この場所なら、地下鉄が便利ですね」
新堂が事件現場を壁に掛けられた地図で確認すると、その場所に赤い頭の付いたピンを刺した。これから何本のピンがこの地図に刺さる事だろう。その数と色が多くなる程、事件は複雑になるのだ。そう為らない事を、逢坂は祈った。
「やっぱり地下鉄で来て、正解でしたね」
東西に伸びた狭い通りの商店街。その中程に在る小路を入り、駄菓子屋を横目で見ながら進んだ先に、黄色のテープが張られていた。
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