雀卓

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「どうやらそちらの若い刑事さんは、何かを掴んだ様だね」  ゆかりは巾着袋から煙草を取り出しながら云うと、その煙草に神山が火をつけている。  時刻は三時を回っている。このままこの場所に留まっていたなら、夜になってしまい兼ねない。 「どうだ新堂、まだ話しをするのか」 「僕は十分です」と新堂は云い、知宏に名刺を渡すと二、三言葉を交わし「それじゃ、行きましょう」と、立ち上がった。  逢坂と道子も釣られるように立ち上がると神山達に挨拶をして、出口に向かった。  逢坂は新堂に「松井さんを呼び寄せた理由を、まだ聴いてないが」と尋ねた。  新堂は「これから訪問する先に、答えがあります」と云うだけだった。
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