477人が本棚に入れています
本棚に追加
/630ページ
「どうやらそちらの若い刑事さんは、何かを掴んだ様だね」
ゆかりは巾着袋から煙草を取り出しながら云うと、その煙草に神山が火をつけている。
時刻は三時を回っている。このままこの場所に留まっていたなら、夜になってしまい兼ねない。
「どうだ新堂、まだ話しをするのか」
「僕は十分です」と新堂は云い、知宏に名刺を渡すと二、三言葉を交わし「それじゃ、行きましょう」と、立ち上がった。
逢坂と道子も釣られるように立ち上がると神山達に挨拶をして、出口に向かった。
逢坂は新堂に「松井さんを呼び寄せた理由を、まだ聴いてないが」と尋ねた。
新堂は「これから訪問する先に、答えがあります」と云うだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!