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「ちょった待った!」
亜香里はそう云うと、真っ白なハンカチを差し出した。そのハンカチと偶然観てしまった下着がリンクして、顔は赤いままだ。それを悟られまいと、浩也はハンカチを顔にあてがった。
ーーいい匂い。
ハンカチから香るラベンダーの香り。それによって、浩也の顔からは赤みが消えていった。
「もう、いつまで拭いてるのよ」
亜香里はハンカチを浩也の手から剥ぎ取ると、足元に置いていた鞄を手に取り、歩き出した。
「買い物って、夕食の買い出しか?」
「昨日たっぷりと買ったから、今日は買わないよ」
「じゃあ、なに買うんだよ」
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