相思

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 亜香里は「バカ」と小さく呟くと、その両方のピアスを元に戻して、小走りに店を出ていってしまった。 ーーなんだよ!  何故、亜香里が急に起こったのか、浩也には解らなかった。赤も緑も両方買うと云ったのが、何故いけないのか理解出来ないでいた。 「駄目な彼氏さんね」  オーナーの女性が微笑みながら、近づいて来た。 「どういう事ですか?」 「誕生日プレゼントなんでしょう」 「まぁ……」 「彼女さん、いくつになるの?」 「十六歳です。彼女じゃないけど……」
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