相思

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 結局は天ざる蕎麦を二人前注文して、二人並んでカウンターで食べた。亜香里が自分の分の海老の天ぷらを一つ、浩也の天ぷらの上に重ねた。 「いいよ」 「遠慮しちゃ、ダメよ」と、亜香里が微笑んだ。 ーー女って、なんでこうなんだよ。  食後のお茶を飲んでいると、亜香里はなにを思ったのか浩也の寝床にしている小部屋に入り、手にセロテープを持って戻ってきた。 「勝手に入るなよ」 「観られちゃ、困るような物でもあるの?」 「そんな物、あるかよ」
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