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一昨日は雀荘に、テレビ局が来ていた。会員は皆が集まり、おまけに誰もがお洒落をしていた。写真撮影が趣味の村田の事だ、あんな事がなかったなら、間違いなくカメラ片手にやって来ただろう。
「多分、なかったと思うよ」
「俺も記憶にない。これって、おかしくないか」
村田の甥の村田 知宏は山登りの時にだけ、村田からカメラを借りるらしい。そんなものだから、一昨日カメラは村田の家にある筈だ。
浩也は自分の携帯電話を取り出すと、昼間この場所に訪ねて来ていた刑事にかけた。相手に村田のカメラについて話しをすると、電話を切った。
亜香里も浩也にしても、確かな記憶ではなかった。昼間、彼らは村田の死の原因を、はっきりしない物としていた。当然の事だが殺人事件と決まっていたなら、あの場に浩也達が参加出来る筈がなかった。
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