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「亜香里、おまえ……」
「あたしは浩ちゃんが好き! 好きなの! 死んだ人なんか、どうでもいいよ!」
大きな瞳から、大粒の涙をこぼしている亜香里を、浩也は強く抱きしめていた。
それは、自然に。
それは、当然の様に。
「俺も、亜香里が好きだよ」
「浩ちゃん、あたしだけを観て。ほかの女(ひと)なんか、観ないでよ」
恋愛映画やテレビドラマで使い古された台詞だったとしても、実際にそれを耳にしたなら「お前しか観ないよ。約束する」と誰もが答えるだろう。
浩也もまた、そう答えていた。
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