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木ノ内親子の家の入り口の前に立ち、新堂が呼び鈴を鳴らすと、扉が少しだけ開いた。その隙間の奥に、幼い少女の顔があった。
「どちら様ですか?」
そう云った彼女の声は、とてもか細いものだった。
警察手帳を取り出し「警察です。お母さんはいますか」と、新堂が云う。
「うちに何か、ご用ですか?」と背後から声をかけられ、逢坂達は揃って声のする方へ振り返った。そこに、少なからず不安な表情を浮かべる好子が立っていた。
「少し娘さんと、お話しをしたいのですが」
『娘さん』と逢坂から云われ、好子は不安な顔をなおいっそう、暗くさせていた。
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