告白

8/27
前へ
/630ページ
次へ
「優衣さん、貴女がカービングソープを作るのに使う道具を、見せてもらえませんか」  優衣は新堂の申し出に素直に頷き立ち上がると、隣の部屋に入り飾りの付いた箱を持ってきた。優衣は飾り箱の蓋を開き中身を見せた。  型紙や針金、鉛筆などに混ざって、彫刻刀が入っている。新堂はその彫刻刀を手に取り、蓋を開いた。五本入りと思われるそのケースに、一本分の隙間があった。 「彫刻刀、一本足りないようですが、どうしたんですか?」  新堂は彫刻刀のケースを優衣に向け、一本少ない箇所を指差している。  好子は「それが、どうしたって云うの!」と興奮したように云った。
/630ページ

最初のコメントを投稿しよう!

479人が本棚に入れています
本棚に追加