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「優衣さん、貴女がカービングソープを作るのに使う道具を、見せてもらえませんか」
優衣は新堂の申し出に素直に頷き立ち上がると、隣の部屋に入り飾りの付いた箱を持ってきた。優衣は飾り箱の蓋を開き中身を見せた。
型紙や針金、鉛筆などに混ざって、彫刻刀が入っている。新堂はその彫刻刀を手に取り、蓋を開いた。五本入りと思われるそのケースに、一本分の隙間があった。
「彫刻刀、一本足りないようですが、どうしたんですか?」
新堂は彫刻刀のケースを優衣に向け、一本少ない箇所を指差している。
好子は「それが、どうしたって云うの!」と興奮したように云った。
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