奉仕

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 奈美枝は腕時計に眼を移した。もうすぐ午後の四時半になる所だ。 「いけないわね。優衣ちゃんの夕食の準備、まだ何でしょう」 「うちは何時も有り合わせの物で済ますから、大丈夫よ」 「ちゃんとバランス良く食べさせなくちゃ、ダメよ」  つい民生委員の口癖が出てしまったが、今は好子と談笑している場合ではない、と奈美枝は我に返った。 「これ、奈美枝さんの履き物」  救急車に載せられた時、好子が機転を利かせて村田の家の玄関から、サンダルを持って来てくれていた。
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