記憶

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 今頃になって、何故思い出したのか。思い出してしまったのか……。 「……ちゃん、浩ちゃん!」 「えっ……、なに?」  魚辰こと、石井 辰男の年季の入った嗄れ声が唸りを上げた事で、市田 浩也は夢想から現実へと引き戻された。  村田 幸之助の様子を見に行くだけのつもりが、村田の遺体を見つける羽目になってしまった。尚且つそれが、殺人事件の様だ。浩也と立花 亜香里が雀荘に戻って来た時には、既に此処に居るメンバーの耳にも、その知らせは届いていた。
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