記憶

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「風呂から上がったら、湿布貼らないと……」  カウンターの裏に救急箱があった筈、などと考えている内に、何時しか瞼を閉じていた。  誰かの背におぶさっている。  とても温かな背中。  とても安心出来る背中。  石鹸の良い香りのする、背中だった。だけど、その顔が見えない。確かに知っている筈なのに……。
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