477人が本棚に入れています
本棚に追加
/630ページ
ほんの僅か、転た寝をしてしまったと思ったが、時計の針は一時間ほど過ぎた様だ。
――いけね。
またゆかりにどやされる、と思いながら、浩也はベッドから起き上がった。
久しぶりに見た夢だった。あれは紛れも無く、母親の背中だ。しかし浩也は、その母親の記憶が殆ど無かった。唯一憶えがあるのが、石鹸の香りのする背中だった。
それは、村田の家に行きさえしなかったなら、思い出す事も無いであろう記憶だった。
最初のコメントを投稿しよう!