1人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
朝…太陽が空に昇り地上を照らしつける時間帯。ここ、小さな農村では村人達は日常を精一杯過ごしている。
自らが生きていく為、畑を耕し、作物を育て、時にはそれらを大きな街に売り、生計を立てている。
そんな中、そう言った農作業をしない村人が一人居た。農作業をしないと言っても、収入が無い訳ではない。他の村人とは別の方法で稼いでいるだけだ。
「あー…早くかかれよ…」
その人物とは、この物語の主人公…名を、エルトラムと言う。親しい人間はエルと呼ぶが。だって呼びにくいし…
そんな彼が居るのは、村から離れた小さな森。村人達からは魔物が出ると言われ、立ち入り禁止になっている場所だ。幾つもの大きな樹が高くそびえ立ち、よく分からない怪しい草や茸が地面にびっしり張り付いている。
「人間、独り言の癖が付くとヤバいって言われてるが…俺はもう駄目だな。」
何とも陰気な独り言を…それはさておき、今エルは見上げる程の高い樹の上に座っている。手には長いロープを持ち先端を地面に垂らしている。ロープの先端は虎鋏の様な物に繋がっていた。
「獲物はまだかー…」
まあ簡単に言うと、エルは今狩りをしているのであった。
最初のコメントを投稿しよう!