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「千、だな。これ以上は出せねえ」
「そんな!?命懸けで殺ってきたのに!それは無いよおっちゃん!」
「嫌なら、普通に畑を耕して働くんだな。この辺りではここ以外じゃお前の持ってきたもんは買い取ってくれないんだ、買い取ってやるだけ有り難いと思えエル」
村に戻るなり早速先程までスライムにボコボコにされていた男は、その死体を行きつけの店に売りに行った。だが思ったより値が張らなかったらしく、苦い顔をしている。
「分かった…じゃあその値段で」
渋々承諾し死体と引き換えに金を受け取る。その時に店主のおっちゃんにこんな事を言われた。
危ない事はほどほどにしとけよ。お前が死んだら村の奴らは悲しむ。勿論俺もな、と…
「でもなぁ…」
家のベッドに寝転がり一人思考に勤しむ。狩りの時に湧き上がる高揚感、野性的な行動の快感。今日の命の駆け引きだって自分が生きている、と感じて心地良い物だった。
「俺は…きっと極度のマゾか戦闘狂だな」
主人公がマゾだったらこの上なく気持ち悪い物語になるのでここは後者を推したいものだが…そんな思いは知らずにエルは深い眠りについていた…
「おはようございます」
翌朝、目が覚めると部屋に見知らぬ女性が居た。年の頃はエルと同じくらい…成人前だと思われる。何か細かい説明すると面倒だから一言で表すと、おっぱいでかい。
「…あ、自警団呼ばなきゃ自警団…」
「待って下さい!決して怪しい者ではありません!」
「玄関に鍵かけておいたのに入ってくる人間が怪しくないわけねーよ」
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