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「・・早くしろ。」
「あ、はい。」
助手席に乗り込んだ。
運転席に乗り込んだ男は、車をスタートした。
「あの、いくつか質問していいですか?」
「なんだ。」
「まず、あなたの名前は?」
「診察のときに見なかったのか?」
「スミマセン。一度しか見てませんし、名前はみてないんですよ。」
「濱本椋埜(ハマモトリョウヤ)だ。」
「濱本さんですか。えっと、どこにいくつもりなんですかね。」
「俺の会社だ。」
「会社、ですか。」
「聞き返すな。」
「すみません。」
しばらく沈黙が続いた。
「あの、夕方に少し用事があるのですが・・。」
「今日じゃないといけない用事か。」
「えぇ。」
「どんな用事だ?」
「兄が外国から帰って来るんですよ。空港まで迎えにいかないといけないので。」
「車で連れていってやる。」
「それはどうも。」
「昼飯は食べたか?」
「いえ、食べてません。」
「じゃあ食べていくか。何がいい?」
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