診察1:出会い

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「はーい、次の方。」 今日も診察をする。 ずっとずっと、ほとんどが診察。 変化は毎日のようにある。 急病の患者さんとか、毎日が変わる。 それでもつまらなかった。 「ありがとうございました。」 「いえ。」 「すみません、ちょっと休憩してきますね。」 「はい。」 看護士さんに一言つげ、診察室を後にする。 「春口先生って若いよね。」 歩いている途中でそんな言葉が聞こえた。 確かに若い。 「顔もきれいだしね。」 「でも、いっつもあの笑顔じゃん?なんかちょっと苦手かも。」 そう、笑顔なのだ、いつでも。 自分の感情を隠すために。 子供のころからそう教えられてきた。 常に相手にいい印象を与えておくこと。 医者になることは決められていた。 小学生のころから英才教育を受けていた。 人と遊んだことなど、一度もない。
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