診察1:出会い

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それが、その生活が嫌なわけではない。 自販機に小銭を入れ、缶コーヒーを買う。 プルタブをあけ、一気に飲み干す。 空になった缶を捨てる。 「ちょっと散歩するか。」 そこら辺をとりあえず歩き回ることにした。 うろうろしていると外車が止まっているのがみえた。 「金持ちでもきているのか・・。」 その後、散歩を少ししてから診察室に戻った。 「どうぞー。」 「・・・。」 無言で入ってきたのは、きっちりとしたスーツを着こなした、同じくらいの歳の男だった。 「えーと、今日はどうしましたか。」 「ここのところ肺のあたりが痛くて・・・。」 「肺、ですか。・・とりあえず、心臓のおと聞きますから。」 そういうとその男はだまって指示に従った。 「息を吸ったりはいたりしてくださーい。・・・・・はい、結構です。」 離れようとした瞬間、手をつかまれた。 「・・・なんでしょう。」 「名前は?」 「春口、です。春口翔、です。」
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