772人が本棚に入れています
本棚に追加
それが、その生活が嫌なわけではない。
自販機に小銭を入れ、缶コーヒーを買う。
プルタブをあけ、一気に飲み干す。
空になった缶を捨てる。
「ちょっと散歩するか。」
そこら辺をとりあえず歩き回ることにした。
うろうろしていると外車が止まっているのがみえた。
「金持ちでもきているのか・・。」
その後、散歩を少ししてから診察室に戻った。
「どうぞー。」
「・・・。」
無言で入ってきたのは、きっちりとしたスーツを着こなした、同じくらいの歳の男だった。
「えーと、今日はどうしましたか。」
「ここのところ肺のあたりが痛くて・・・。」
「肺、ですか。・・とりあえず、心臓のおと聞きますから。」
そういうとその男はだまって指示に従った。
「息を吸ったりはいたりしてくださーい。・・・・・はい、結構です。」
離れようとした瞬間、手をつかまれた。
「・・・なんでしょう。」
「名前は?」
「春口、です。春口翔、です。」
最初のコメントを投稿しよう!