診察1:出会い

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とりあえず風呂に入るため、湯を張った。 服を脱いでからお湯にゆっくりつかる。 「あぁ~、疲れたかも・・。」 1日の中で至福の一時。 まわりの目がなくて、自分だけの世界。 「・・・・明日、どうしよ・・。行ったほうがいいか・・。」 そこで頭を使うのをやめる。 毎日毎日考え事ばかりで頭が痛い。 そう思って目を閉じた瞬間、けたたましい音が鳴り響いた。 それは、脱いだものと一緒に脱衣場に放置した携帯電話の音だった。 「いったい誰なんだか。」 文句を言いながらも、風呂から上がり、電話にでる。 「もしもし、春口です。」 「春口だ。」 「はい?どちらの春口さんでしょうか?」 「晶だが?」 「これはこれは、お兄様でしたか。いったいどうしました、出来損ないの弟なんかに電話など。」 「明日、日本に戻る。日本に家を俺は持っていない。だからお前のところに泊まらせろ。」 「お兄様なら一流のホテルでも泊まれるでしょうに。それに家がなければ建てないのですか?」 「ホテルはもう飽きた。」
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