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とりあえず風呂に入るため、湯を張った。
服を脱いでからお湯にゆっくりつかる。
「あぁ~、疲れたかも・・。」
1日の中で至福の一時。
まわりの目がなくて、自分だけの世界。
「・・・・明日、どうしよ・・。行ったほうがいいか・・。」
そこで頭を使うのをやめる。
毎日毎日考え事ばかりで頭が痛い。
そう思って目を閉じた瞬間、けたたましい音が鳴り響いた。
それは、脱いだものと一緒に脱衣場に放置した携帯電話の音だった。
「いったい誰なんだか。」
文句を言いながらも、風呂から上がり、電話にでる。
「もしもし、春口です。」
「春口だ。」
「はい?どちらの春口さんでしょうか?」
「晶だが?」
「これはこれは、お兄様でしたか。いったいどうしました、出来損ないの弟なんかに電話など。」
「明日、日本に戻る。日本に家を俺は持っていない。だからお前のところに泊まらせろ。」
「お兄様なら一流のホテルでも泊まれるでしょうに。それに家がなければ建てないのですか?」
「ホテルはもう飽きた。」
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